Seekです。
前回は英語の参考書について書いたんですが、思ったよりも反響があった(TwitterのDMで質問がいろいろときた)ので、この調子で頑張りますw
面白かったり参考になるようでしたら読者登録のほうをよろしくお願いします。


今回は数学の参考書・問題集について書いていきたいと思います。
大多数の人は数学という魔の教科に時間を取られるか、早々に諦めて「他の教科を勉強するンゴ!w」となる人が多いと思います(真顔)
そして、学校の教材では飽き足りず参考書や問題集を購入する人も多いと思います。
数学の参考書・問題集の選択は、受験においてかなり重要な選択になってきます。そもそも参考書・問題集をやる必要がないorやる段階にない人もいますので、まずは自分の学力の客観的な把握に努めませう。
僕は受験で数学が足を引っ張るレベルで数弱なので、数弱の視点から数学の参考書を紹介していきたいと思います。


数学の参考書・問題集に取り組む意味
いままで呑気に数学の参考書に取り組んできた人は「だりぃ...」「やりたくねえ...」と思ってる人も多いと思います。めっちゃわかるわ。
ではなぜそうなるのか?2つのパターンに分けて順序立てて考えていきます。

①そもそもきちんとした勉強をしていないパターン
そもそも数学の勉強をすること自体がダルく感じられるのは、「取り組んだところで解けない」「かなり時間がかかって他の教科に影響する」「勉強したところで本番で点数が取れるとは限らない」という言い訳がましい気持ちが心のどこかにあるからです。
苦手だからといってそう思うのは自由ですが、たいていそういう人に限って自分に必要な勉強をことごとく避けてきています。これに気付かないで自分の首を絞めまくる人は、特に数弱に多いです(僕が実際そうでした)
このような場合は、まずは自分の学習方法について徹底的に見直す必要があります。指針を示します。
・自分の数学の勉強法やその進度が自分にあっているのか
・実際に模試や定期試験で、どの分野でどれくらい点数が取れているのか
・各分野でそれぞれどれくらい理解が進んでいるのか
・本番での時間配分や解き方は決めてあるか
などを自分で分析して把握すべきです。
特に高1~高2の間はこのことに気付くための重要な期間です。高3のときに気付いても人によっては挽回がききますが、ほとんどの場合が手遅れで「もう一回遊べるドン!」となってしまいます。終わってみると草も生えません(マジで)


②勉強はある程度しているものの、本番で点数が取れないパターン
数学が苦手で、または嫌いではないが勉強をしているのに点が取れない。悔しい...ですよね?()
このような人達というのは、ただやみくもに勉強して公式などを暗記していたり、本番で難しい分野ばかり取り組んでしまって結局点が取れなかったりしているのです。
このような場合は、本番視点で自分の数学力について考えていくべきです。同様に指針を示します。
・どのような部分で自分が減点されているのか、ミスしているのか
・得意、苦手としている分野は何か
・時間配分、解く順番は適切か
これらを把握することで、自分の今後の学習計画や本番での具体的な戦略を立てることに繋がります。戦略の立て方などはまた別の回でお話していこうと思います。
勉強しているのに点が取れないのは本当にもったいないことです。自分の学力で取れる点数を、学力以外の部分で落としてしまっているからです。過ちに気付ければ普通に受かるタイプの人たちです。気づけなければ......



以上、2パターンの「数弱」について見てきました。これらに当てはまらない人ももちろんいると思います。ただ、大別するとこうなるのです。数強の方々はおそらく苦労しないことでしょう。うらやま。。。。
では、本題に入ります。それぞれのパターンによって、選ぶべき参考書の種類、そしてその使い方も変わってきます。できるだけ具体的に僕が使っていた参考書について、以下の観点から述べていきたいと思います。数弱視点です。
①おすすめ度/数弱へのおすすめ度(5段階)←解法学習時と演習時に分けます

②どのような本か

③この本のメリット、デメリット

④どのような時期に使うべきか

⑤どのような使い方で使うべきか

⑥コメント(僕がどのように使っていたか)



1.チャート式シリーズ(数研出版)
①★★★★☆/★★★★☆(解法学習時)、★★★★☆/★★★☆☆(演習時)

②言わずと知れたシリーズです。ご存じの方も多いでしょう。いわゆる例題とその解説が分野ごとに列挙され、それらと確認問題の演習によって学んでいきます。それぞれの分野で使われる公式とその証明が章の冒頭に書かれ、章末に過去の入試問題が演習問題として並べられているのが特徴です。本の最後には「主題」と「試練」と言われる難問ゾーンが待ち構えています。

③メリット
・本の色(参考書としては、赤/青/黄/白)によってレベル分けがなされているので、どの段階から始めるか自分で決められる。
・どのような問題パターンがあるか、そしてそれらの解法をある程度把握できる。
・演習問題の解説が充実している。

デメリット
・固定的な思考が多く、解法の暗記に繋がりやすいため、人によっては本番で使えない可能性がある
・別解がそこまで多いわけではない
・載っている問題以外のものが出たときに対応できなくなる人が出来やすい
(大量の問題は載っているが)

④チャート式を使う時期として適切なのは、おそらく基本的には高1~高2、高3の頭でしょう。基本問題や頻出問題の解法を学ぶのにはちょうどいいです。ただ演習問題のレベルが普通に高いので、高3や浪人生が演習問題だけを解くというのもありです。解説も充実していますし。
事実、東大に現役で進学した先輩は受験期に青チャートの演習問題をやっていました(僕におすすめしてくれました)
あとは色の選び方ですが、基本的には青チャートをお勧めします。問題や解説のレベルが入試本番にちょうどいいです。ただ、上位校を目指す人には足りませんので赤チャートをやることもお勧めします。おすすめの流れは、青(1A)→赤(2B)→青or赤(3)です。
もちろん基礎の基礎から確認したいという人には白チャートなどもいいです。

⑤使い方としては、例題→解説→確認問題という流れが基本になります
一通り終わったら、自分のレベルによって「演習問題に進む」か「次の章に進む」かを決めてください。
その時点で演習問題が解けなくても何ら問題はありません。ただやるなら時間を決めて、その時間はじっくり考えてみてください。
「例題には解法が載っていないが、意外とためになる解法」が演習問題の解説でなされていることもあります。


⑥僕が初めて使ったときは「なんていい参考書なんだ!w」と思いましたが、ある程度理解が進んできたり、いろいろな問題を解き始めるようになると、「なんやこの参考書wwwwwwwwwww」となりました(自分が悪い)
ですが演習問題を解いてみると、なかなか歯ごたえがある問題がそろっているのでやりがいはありました。数弱の人はまずこの本で武器をある程度揃えた後、「ほかの問題集で」演習を進めることをおすすめします。例題と演習問題のレベルの乖離がすごいからです。
きちんと書店で自分のレベルとチャートのレベルを照らし合わせてから買いませう。

改訂版チャート式数学2+B
数研出版
2017-01-01








2.基礎問題精講シリーズ(旺文社)
①★★☆☆☆/★★★★☆(解法学習時)、演習問題なし

②例題とそれに関する解説が載っている本です。形式はチャート式とほぼ同じです。チャート式と違うのは、ほとんどの例題に対して必ずと言っていいほど解法が2つ以上紹介されているところです。これにより1つの問題をいくつかの視点から見る目を養えます。

③メリット
・別解が多く、いくつもの視点から問題を見られる。
・必要な問題数のみをカバーしているので効率が良い。
デメリット
・例題のレベルが一定で、段階を踏んでいない
・確認問題があるだけで、演習問題がない

④使う時期はそれぞれの分野(1A/2B/3)の学習が始まったころでしょう。教科書と併用することで理解が深まります。

⑤使い方としては1日何題と決めてどんどん進めていくやり方がおすすめです。1冊に意外と問題が入っているので、時間をかけずに進められると理想です。

⑥正直やってもやらなくてもいいです。ただ本当に苦手意識を持ってる人はやったほうがいいです。やるとしたら数Ⅲがいいでしょう。

数学III基礎問題精講 四訂新装版
上園信武
旺文社
2020-02-04



3.Z会数学基礎問題集 数ⅠA/ⅡB/Ⅲ チェック&リピート(Z会)
①★★★☆☆/★★★★★(演習時)

②Z会が出している基本問題集です。基本とは言っても、難易度としては学校配布の問題集より少し難しめです。中位の大学の入試問題をベースに、分野ごとに問題が列挙されています。解説もまずまずといったところ。演習重視なので、先にある程度公式や知識の理解を深めてから取り組むと効果が上がります。
初めて入試問題に触れる人や市販の問題集を初めて買うという人にもいいです。ただ、ある程度のレベルに達している、数学に自信がある人には向いていないです。数弱にとっては穴を埋めるためにはもってこいの問題集です。

③メリット
・各分野の問題が豊富
・ヒントが書いてある問題もあるので取り組みやすい
・問題のレベルが低すぎず高すぎずで、数学力の錬成に良い
デメリット
・ハイレベルな問題を解くのには向いていない
・似たような問題が連続して載っている分野が時々ある
・解説がまずまず

④使う時期としては、一通り各分野の学習が終了してからでしょう。すべて終えてからやると遅いわってなるので、高1~高2のどこかのタイミングでやるといいと思います。また、高3や浪人生が基礎の確認に問題を選んで解くのもいいと思います。ある程度やっている人には「自分がどの問題で落とすのか」が大体わかっているはずです。わからないなら自分の勉強を振り返ってください。

⑤使い方としては、初めてやる人は網羅的にやり、似たような問題が出てきたら飛ばしても構いません。ただ出版した側の出題意図が汲めるなら、という話です。
「リピート」と名前に入っている通り、繰り返し解くことで効果が得られる問題もあります。自分が少しでも「まだ出来ていない」と感じる問題があれば繰り返し解きましょう。

⑥僕は高2の初めに解き始めました。網羅型で、やり込むほど自分の実力が上がっていくのを感じました。ただ得意になったという感じではありませんでしたが。人並み程度にはなったかなと思います。







4.1対1対応の演習 1/A/2/B/3(微積分/曲線・複素数) (東京出版)
①★★★★★/★★★★★(解法学習時)、★★★★☆/★★★★★(演習時)

②数学の参考書で有名な東京出版の本です。知っている人も多いと思います。形式としてはチャート式に似ていますが、ほぼ入試問題で占めているのが特徴です。チャート式の上位互換と言えます。演習問題も入っており、解説は東京出版ならではの数学的な解法で充実したものになっています。1つの問題に対していくつかの解法が載っており、それに関連する知識とその証明も細かく載っています。積分のフローチャートはかなり役に立ちます。数弱にとっては参考になる解法が多く、非常に重宝する参考書だと思います。

③メリット
・東京出版の本の特徴として、市販の参考書にはない「より数学的な考え方」を学ぶことができる
・本番で使えるだけでなく、その分野の理解が深くなるような解説がなされている
・頻出かつ差がつく問題ばかり扱っているので得点源を作りやすい
デメリット
・問題数がほかの参考書に比べて少ない
・ハイレベルな考え方を扱っている時があるので、たまに立ち止まる
・分野ごとに分かれていて、すべて買おうとすると少しお金がかかる

④使う時期としては高1~高3頭くらいです。入試問題や後述する新数学スタンダード演習(同社)へのステップアップを図りたいときに使えます。

⑤まず問題を時間を決めて解いてみます。そのあと(解けなくても)解説を見て理解し、章の冒頭にある公式集を見直してからもう一度解き直します。これを繰り返して万全になったら演習問題に取り組みましょう。演習問題は東京出版が推奨している目安の時間に従って解きましょう。

⑥1対1は非常に完成度が高い参考書です。もちろんいくつか欠点はありますが、総合的に見ればコスパは高いです。僕は高2の後半から使っていました。浪人してからも基礎の確認として使っていました。おすすめは数Ⅲの微積分編です。





5.新数学スタンダード演習 1A2B/3(東京出版)
①★★★★☆/★★★★☆(演習時)

②こちらも1対1同様東京出版の本です。網羅型の問題集であり、細かく分野分けされ、それぞれに10問~30問程度の問題が含まれています。また総合演習も充実していて万全を期しています。解説では「そんな手があるのか!」と、少し定石から外れた解説もされていて面白いです。ただ問題数が多い(1A2Bは250問以上、3は140問弱)ので、時間と期間を決めてやらないと中途半端に終わります。
ほぼ過去問から成り立っており、演習としては非常に役に立ちます。

③メリット
・問題数が多く広い範囲をカバーしている
・様々な角度から解説がなされている問題がある
・頻出問題を多く扱っていて得点源になる
デメリット
・問題数が多く、全体として解き終わるのに時間がかかる
・突飛な発想もあり、マネするのが難しい考え方も載っている
・そもそも問題自体の背景が難しく、応用が利きにくい問題もある

④使う時期としては高2後半~高3夏まででしょう。高3の秋以降にやるレベルの問題はなかなかありません。基本を一通り学び終わって、いよいよ本格的な演習に入る人におすすめです。数弱だと思い込んでいても解ける問題はあるので、チャレンジしてみるといいと思います。ただ基本はしっかり押さえてから。

⑤東京出版の本の特徴として、「難易度」と「目安となる解答時間」が示されています。評価が10段階に分かれていて、
A:1~3(基本)
B:4~6(標準)
C:7~8(やや難)
D:9~10(難)
という区分けがなされています。これらのうち、新数学スタンダード演習はA~Cの問題を取り扱っており、B問題が中心的です。
まずは難易度が簡単な問題を先に解くことをお勧めします。
また全体として解き方が2パターンあって、
・各分野を順繰りに1問ずつ解く
・各分野ごとに終わらせていく
どちらでも構いません。総合的な演習をしたい人は上のやり方で、自分の苦手な分野が分かっている人は下のやり方でやるとよいでしょう。もちろん解く分野の順番を変えてもいいです。

⑥僕自身は高3の春から始めて夏に終わらせました。全体として演習が出来てとてもよかったと思いま
す。ただ途中から気分的にきつくなる分野もあったので、全部やる必要もないですし、そう感じたら別の問題集にスイッチしてそれをやり込みましょう。とにかく穴を残さないことが大事です。
今年改訂がなされたようで、さらなるパワーアップが期待できます。


6.やさしい理系数学(河合出版)
①★★★☆☆/★★★☆☆(演習時)

②河合出版が出している問題集です。端的に言うと「タイトル詐欺」です。世の中そこまで甘くないですwwwwwww....はぁ。
入っている問題のレベルは中~上位の大学の過去問であり、解説も定石系の方法と泥臭く行く方法などの2つ以上の解法がなされています。問題自体からはすごく学ぶことが多く、例題と併用して学習するといいと思います。ただ、やる時期を間違えると時間の無駄になるだけなので、後述の時期とやり方を参考にしてください。

③メリット
・問題数が多く、レベルの高い問題に多く触れられる
・解説が端的で見やすい
・頻出問題と考える系の問題のバランスがいい
デメリット
・レベルが高く、自分の学力を勘違いしてやるととんでもないことになる
・解説が端的過ぎて行間が読めない時がある
・考える系の問題のときの難易度がかなり高く、演習に適していない時がある

④やる時期としては、高3夏~、浪人生です。ほかの問題集をきちんと終わらせるか、理解を深めてからでないと、問題が解けなかったり問題から得られるものが少なかったりして、何のためにやっているのかわからなくなります。数弱には少し厳しいものがあるかもしれません。

⑤使い方としては、例題をさらっと見た後に、分野ごとに解いていく感じです。先ほどの新数学スタンダード演習と使い方は似ているとおもいます。解説を読んでもわからない時はネット検索するか学校の先生におとなしく聞きましょう。

⑥タイトル詐欺にあっていろいろなものを失った受験生は多いです。ただ、人によってはこれをやりこんで点数が伸びた人もいるので、あながちダメな問題集とは言えないです。でもやさしくない。





7.ハイレベル数学1・A・2・B/3の完全攻略(駿台受験シリーズ)
①★★★★★/★★★★☆(演習時)

②駿台の講師が監修している問題集です。それぞれの分野で選び抜かれた問題がそろっており、少数精鋭のような構成になっています。問題が少ないかと思えば、解説のほうで類題と一緒に解説がなされており、理解がかなり深まります。ただ解説を並べている市販の問題集とは一線を画します。載っている問題は上位私立・国公立の過去問が多く、ハイレベルなものになっています。最終段階でやる問題集と言ってよいでしょう。

③メリット
・問題数が少ないが問題自体に深みがあるため、得られるものが多くコスパが高い
・類題による理解の補助がとてもいい
・別解が豊富である
デメリット
・問題数が少なく大量の演習をしたい人には向いていない
・自分の学力を勘違いして解き始めるとほぼ解けず、ただの塊と化してしまう

④やる時期としては高3秋~直前、浪人生でしょう。レベルが高いので万全の理論武装をしていかないと簡単に返り討ちに遭います。

⑤使い方としては順々にやっていくことをおすすめします。分野ごとに分かれてはいますが、それぞれに含まれる問題数が少ないので普通にやっていくことをおすすめします。もちろん順番を変えても大丈夫です。

⑥浪人生の時にやりましたが、すごく勉強になることが多く、繰り返しやり込みました。問題数が少ない分周回できると思います。








以上が僕が現役・浪人時に使っていた参考書です。できるだけ客観的観点から見たつもりではありますが、もちろん主観や体験談も入っています。
店頭で実際に手に取って、自分の学力と照らし合わせて買ってください。
何度も言いますが、数学の参考書の購入は受験勉強に影響するレベルの選択なので、今一度自分の学力を考えて、参考書を選んでいって下さい。


次回は化学について書いていきます。では!